◎ロニー・ジョーダンのウォー・ライヴ~「世界のゲットー化」と「なぜみんな友達になれないのか」という普遍的な問いがいまだに輝く

◎ロニー・ジョーダンのウォー・ライヴ~「世界のゲットー化」と「なぜみんな友達になれないのか」という普遍的な問いがいまだに輝く
吉岡正晴 2025.02.08
誰でも

【Lonnie Jordan’s War Live : Message Of “The World Is A Ghetto” to “Why Can’t We Be Friends” Still Shine Today】

(ライヴの内容がでます。これから見に行く方で、事前に内容を知りたくない方はご注意ください)

ローライダー。

ロニー・ジョーダンのウォーが2007年のコットンクラブ、2009年のサマーソニック、2017年5月以来7年7カ月ぶりの来日。ウォーとしては、1974年12月が初来日、その後何回か来ている。

今回は来日にあわせて、1974年12月初来日時の音源が2枚組CDとなってリリースされ、それが前あおりのような形になり、来日直前で、チケットも4公演急遽ソールドアウトになったほど。

今回は初日ファーストに参上した。超満員で、外人率多し。ただしローライダー風のひとたちは、前回見たほどいなかった。おそらく、2日目に集中しているのかもしれない。

今回は、前回来日メンバーからギターとハーモニカが新しい人になり、他は同じ。なので、おそらく相当ライヴの数をこなしている様子で、バンドとしてかなりタイトだった。

やはり、打ち込みなしのリアル・ミュージシャンによるグルーヴ感あふれるリアル・ミュージックは、ライヴハウスで聴く感じがいい。本当にバンド演奏を聴いている感じがする。

セットリストは、主な大ヒットを網羅し、コンパクトにまとめた。やはり、ドラムス、パーカッションがウォーの屋台骨という感じだ。そして、なにより、前回も感じたが、ロニーがお客さんを徹底的に楽しませる。

「シスコ・キッド」「ホワイ・キャント・ウィ・ビー・フレンズ」「ローライダー」など1970年代初期から多数のヒットを惜しげもなく披露。(詳細セットリストは下記参照) 「シスコ・キッド」なんかは、観客にみんな歌わせ、サビのところは大合唱になったものの、その先に行くと、みんなも歌詞があやふやになり、ロニーが「泣く」始末。(もちろん、演出だが)。

ウォーの一番の代表曲は何か、と考えると、「ホワイ・キャント・ウィ・ビー・フレンズ」なのか、あるいは、「ワールド・イズ・ア・ゲットー(世界はゲットーだ)」なのか。いや、「シスコ・キッド」「ローライダー」なのか。

基本はロニーが歌い、キーボードも弾くが、いくつかの曲ではメンバーがコーラスに入る。また、今回のライヴ・アルバムからの最初のシングルとなったバラードの「ソー」は、ドラムスのサル・ロドリゲスが歌う。サルは、リー・オスカーがウォーを脱退したあと、1990年以来、このウォーに入っているそうだ。

木曜日の『AOR/Soul To Soul』でミニ特集した『ライヴ・イン・ジャパン1974』だが、番組でもユキさんと話したが、50年前のライヴ盤が発売され、その場にいた人がいれば、メールください、と伝えたが、50年前に自分が行ったライヴのライヴ盤が出るなんて、なんて楽しいことだろうか。スタッフ間でもひとしきり盛り上がった。

このライヴ・アルバム、音も綺麗になっており、まるで最新のライヴ音源のよう。ウォーもグループとして絶好調だったときのもので、これまでにリリースされた3枚のライヴ・アルバムをもしのぐような内容だ。来年のグラミー、ヒストリカル的な分野でノミネートされる可能性も大だ。

なんと、今回、ウォーの育ての親でもある、あのプロデューサー、ジェリー・ゴールドスティーンが帯同していた。もちろん、初来日から来日していたそうだ。尋ねたいことが山ほどあるので、改めて話を聞くことにした。

それにしても、世界が分断され、戦争が頻繁に起こり、まさに「世界のゲットー化」に悩まされる今日、今こそ、「なぜ僕たちは友達同士になれないのか」という普遍的なメッセージは今までになく輝きを放っている。

■ウォー最新作『ライヴ・イン・ジャパン1974』

ライヴ・イン・ジャパン 1974 (特典なし)

ウォー (アーティスト)  形式: CD 解説吉岡正晴

¥3,500¥3,500

アマゾンの紹介文

内容紹介

日本先行発売決定!

そのサウンドとメッセージで世界に革命を起こし続ける、70年代アメリカ西海岸のファンク・シーンを代表する存在、ウォー。

SoCalシーンの伝説的ストリート・バンドとしてその名をはせる彼らが日本に初上陸した1974年来日時の貴重な未発表ライヴ音源が、奇跡の2枚組ライヴ・アルバムとなって登場!!

彼らがここ日本の地に初めて上陸したのが、1974年12月のこと。このウォー初来日公演から50周年を記念して2025年2月に来日公演が既に決定しているのだが、この初来日公演から50周年という記念すべきタイミングをさらに祝福すべく、1974年の初来日公演の模様を収録した奇跡のライヴ・アルバム、その名も『ライヴ・イン・ジャパン 1974』がリリースされることとなった!

当時、彼らはライヴ音源を自分たちのアーカイヴ用にレコーディングし保管していたのだが、今回その膨大な数のバンドのアーカイヴの中から、1974年の静岡公演の模様を中心とした来日公演の音源が発掘されたのだ。その凄まじい熱量を放つサウンドが、50年の時を越えて遂に公式ライヴ・アルバムとして登場することになる。

日本盤には、英文ライナーノーツの翻訳や解説、歌詞・対訳に加え、日本盤限定のコンテンツとして、現在もメンバーとして活動するロニー・ジョーダン、そして初期からバンドのプロデューサー/ソングライターとして深くかかわってきたジェリー・ゴールドスタインという二人が、1974年当時の来日公演の模様を振り返る特別インタビューを掲載、さらに日本盤限定特典として「特製WARロゴ・ステッカー」が封入される。

ウォー … 1969年カリフォルニア州ロングビーチで元アニマルズのエリック・バードンを中心に結成。多様な人種からなるメンバーにソウルやジャズ、ラテンやファンク、R&B、ロックなど様々なジャンルをクロスオーヴァーさせた音楽性で一躍注目を集めた彼らは、人種の壁を音楽によって取り払い、幅広いファンを獲得していった。幾度かのメンバー・チェンジを経ながら、現在も最初期からグループを支え続けるキーボード・プレイヤーのロニー・ジョーダンを中心に活躍する、そのサウンドとメッセージで世界に革命を起こし続ける存在だ。

★★★来日公演決定!★★★

WAR Live at BLUE NOTE TOKYO

2025年2月7日(金)

2024年2月8日(土)

<収録内容>

(Disc 1)

1. The World is a Ghetto / 世界はゲットーだ!

2. Southern Part of Texas / サザン・パート・オブ・テキサス

3. The Cisco Kid / シスコ・キッド

4. So / ソー

5. All Day Music / オール・デイ・ミュージック

6. Don't Let No One Get You Down / ドント・レット・ノー・ワン・ゲット・ユー・ダウン

(Disc 2)

1. Lotus Blossom / ロータス・ブロッサム

2. Gypsy Man / ジプシー・マン

3. Band Intro / バンド・イントロ

4. Intro to Slippin' Into Darkness: Lee Oskar / スリッピン・イントゥ・ダークネス・イントロ

5. Slippin' Into Darkness / スリッピン・イントゥ・ダークネス

6. Me and Baby Brother / ミー・アンド・ベイビー・ブラザー

7. Shizuoka Chant / シズオカ・チャント

8. Where Was You At / ウェア・ワズ・ユー・アット

メディア掲載レビューほか

そのサウンドとメッセージで世界に革命を起こし続ける、70年代アメリカ西海岸のファンク・シーンを代表する存在、ウォー。SoCal シーンの伝説的ストリート・バンドとしてその名をはせる彼らが日本に初上陸した1974年来日時の貴重な未発表ライヴ音源が、奇跡の2枚組ライヴ・アルバムとなって登場!! (C)RS

■セットリスト:ウォー@ブルーノート東京

Setlist : War : Bluenote Tokyo, 2025/02/07, First Set

Show started 18:01

01.           Smile Happy (Instrumental)

02.      Me And Baby Brother

03.           Slippin’ Into Darkness

04.           Cisco Kid

05.           Spill The Wine

06.           The World Is A Ghetto

06.           So

07.           All Day Music

08.           Ballero

09.           Why Can’t We Be Friends

Enc         Low Rider

Show ended 19:14

(2025年2月7日月金曜、ブルーノート東京、ウォー・ライヴ)

MEMBERS

+ denotes new member 2025

Lonnie Jordan(vo,key)ロニー・ジョーダン(ヴォーカル、キーボード)

Sal Rodriguez(ds)サル・ロドリゲス(ドラムス)

Marcos J. Reyes(per)マルコス・J・レイエス(パーカッション)

Rene Camacho(b)レネ・カマチョ(ベース)

Scott Martin(sax)スコット・マーティン(サックス)

+James Zota Baker(g)ジェームズ・ゾタ・ベイカー(ギター)

+Mitch Kashmar(hca)ミッチ・カシュマー(ハーモニカ)

ENT>MUSIC>LIVE>Lonnie Jordan’s War

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